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NTT、「折り」「曲げ」や「結び」も自在な光ファイバを開発

NTTは、光ファイバ配線工事の“スキルレス化”に向けて、「曲げ」「折り」「結び」といった自由な配線ができる光ファイバコード(以下、曲げフリー光ファイバコード)と、戸建住宅内の配線工事を簡略化する「FTTH対応先行光配線キット」を開発したと発表した。

開発された曲げフリー光ファイバコードは、NTTが開発した「ホーリーファイバ」の1種である「空孔アシスト型光ファイバ」を心線(直径125μm)に採用。空孔アシスト型光ファイバとは、高屈折率ガラスをコア部に採用し、その周りのクラッド部(石英ガラス製)に空孔を配したもの。空気の屈折率は、石英ガラスに比べ十分小さく、漏れそうになった光を逃がさない反射材の働きをすることから、光を閉じ込める効果が高まる。

光ファイバを包むコード被覆部(直径4mm)は、曲げたり、踏みつけても中の光ファイバへの負担を軽減する構造となっており、しなやかに曲がる柔軟な材料を採用した。これにより、光コード部は端末周りの配線を容易に行えるように、しなやかに曲がる柔軟性と、誤って椅子のキャスター等で踏みつけても、中の光ファイバに影響がない側圧特性を有しています。また、光ファイバの余長部分を結んだり束ねたりしても、コードに癖がつきにくい点も大きな特徴。

両端にはSCコネクタ互換のコネクタ部を装備。このコネクタ部は、通常シャッタが閉まった状態で光ファイバに汚れが付着するの防ぎ、シャッタを開ける際には、シャッタ裏側の清掃部によって光ファイバの先端が清掃される仕組みを備えている。

FTTH対応先行光配線キットは、ユーザーやNTTから委託を受けた工事業者がNTTの開通工事前に先行して宅内工事を行なうためのセット。光ファイバをカールさせて伸縮する「光カールコード」、光カールコードを配管に通線した時に縮んで戻ってしまうのを防止する部材、引き込み用牽引端のほか、松下電工が開発を担当した「埋込型宅内光アウトレット」や屋外に設置する「ユーザ設置光キャビネット」、光カールコードを通す配管(市販品)も同梱されている。

光カールコードは、長さ1mのカールコードで20mまで伸張し、6曲がり配管でも1kgf(9.8N)以下の比較的弱い牽引張力で通線できる光ファイバコード。

通常の光ファイバコードの場合、敷設する際の長さによって専用の光ファイバカッターで切断したり、メカニカルスプライスで光ファイバ同士を結合し、長さを調節する必要があったが、光カールコードであれば、ONUまでの宅内配線に余りが出ても配管内で吸収できるほか、長さが異なる配管であっても同じ仕様の光カールコードで対応することが可能となる。

事業化や提供価格については現在のところ未定としている。

<コメント>
ADSLに比べて敷設作業の手間が面倒なFTTHサービス。宅内作業をスムーズに運ぶことで普及のペースを上げていくことができるだろう。

関連リンク:NTTの発表リリース(曲げフリー光ファイバコード)
       NTTの発表リリース(FTTH対応先行光配線キット)

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