トップページ»技術情報»NECエレ、携帯電話で50時間の音楽再生を実現するLSIを開発
NECエレ、携帯電話で50時間の音楽再生を実現するLSIを開発
NECエレクトロニクスは、携帯電話で音楽を連続50時間再生できるようにするLSIを製品化し、オーディオプロセッサ「μPD99910」の名称でサンプル出荷を開始したと発表した。
μPD99910は、音楽再生専用のCPUとDSPを内蔵し、アプリケーションプロセッサと接続して使用するコンパニオンチップ。低消費電力の32bit RISC CPUを搭載しており、単独で音楽再生が可能。消費電力の大きいアプリケーションプロセッサ上のCPUやDSPを使わず、μPD99910に再生処理を担当させることで、同一容量の電池で比較した場合、従来の10倍以上となる50時間の連続音楽再生が可能になるとしている。
SDカードとのインターフェイス機能を備え、SDカードが採用している著作権保護技術であるCPRMにも対応。音楽配信サービスなどからダウンロードした著作権保護付きのSD-Audioファイルも再生が可能。端末を買い換える際に購入したコンテンツをSDカードごと新機種に移行できる「SDバインディング」にも対応できる。
通常の再生に加え、SD-Audioプレイリスト再生、シーケンシャル再生、ランダム再生、リピート再生などの特殊再生もサポート。イコライジング機能やオートゲインコントローラ、サンプリングレートコンバータ機能も備えている。
携帯電話への組み込みを想定しており、コンパニオン形式を採用しているため、ホストであるアプリケーションプロセッサから音楽再生用のプログラムをダウンロードして用いる形式で利用可能。プログラムコードをアプリケーションプロセッサ側のフラッシュメモリに格納して用いることもできる。そのため、μPD99910上には音楽再生用の最小限のプログラムコードを格納するだけでよく、内蔵メモリの小型化が可能。外付けフラッシュメモリも不要となり、ポータブルオーディオ機器用LSIを搭載する場合と比べ、コストが削減できるとしている。
パッケージサイズは6mm角のTFBGA(97ピン)。サンプル価格は1,500円。量産は2006年4月を予定しており、月産40万個を見込んでいる。
<コメント>
SD-Audioに対応した音楽配信サービスには最適なLSIだが、想定しているのは携帯電話。販売数の面から、しかも国内メーカー向けに限ればオーディオプレーヤーより携帯電話を想定するのは致し方のないところか。ある程度、これからの国内市場動向を見越したものと考えることもできる。
関連リンク:NECエレクトロニクスの発表リリース
コメント&トラックバック
トラックバックURL:http://www.emd.gr.jp/2006/01/12/118/trackback/