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ルネサス、「Windows Media DRM 10 for Portable Devices」に対応した、「SH-Mobile」用ソフトウェアを開発

ルネサス テクノロジは、アプリケーション・プロセッサ「SH-Mobile」を使用する携帯電話向けのアプリケーション開発用ソフトウェアとして、マイクロソフト の著作権管理技術「Windows Media DRM 10 for Portable Devicesに対応した「WMA/DRMデコードミドルウェア」を開発、2006年1月31日から提供を開始すると発表した。

同ミドルウェアを利用することで、WMAを利用した音楽配信サイトで用いられる「Windows Media DRM 10」に対応。SH-Mobileを搭載した携帯電話で、DRM保護されたWMA楽曲再生を容易に可能とするほか、開発期間の短縮も実現できる。

アプリケーションプログラムに記述するAPI(Application Programming Interface)の仕様は、従来製品とほぼ同じで、著作権保護されたWMAフォーマットのオーディオデータを再生する処理は、再生処理の前に暗号解読処理のAPI呼び出しの命令を挿入するだけで、従来の「WMAデコードミドルウェア」を使用したアプリケーションを容易に「Windows Media DRM 10」に対応させることができ、短期間での開発が可能となる。

暗号解読処理は、従来の「WMAデコードミドルウェア」CPU処理負荷に対して、約1割程度で実現しており、著作権保護されたWMAフォーマットデータを再生しながら、画像表示等の他のアプリケーション処理を、従来どおり余裕をもって行うことができる。

ライセンス発行サーバへのライセンス発行要求や発行されたライセンスの処理などのライセンス管理機能、また、アンチロールバッククロック、セキュアクロックなどのセキュアな時刻管理機能等を備えており、将来拡大すると見込まれているサブスクリプション型音楽配信サービスやレンタル型音楽配信サービス向けのアプリケーションに対応した機能の他、ライセンス発行サーバから直接ライセンスを取得する機能にも対応している。これにより、PCを経由せず、携帯電話のみで直接音楽配信サービスを利用するアプリケーション等の開発ソリューションも可能。

通常、PCと携帯機器間でのWMAフォーマットデータの転送は、「Windows Media Player 10」がサポートしている通信プロトコルMTPにより、USB(Universal Serial Bus)ポート経由で行われる。そして、著作権保護されたWMAフォーマットデータを転送する際には、通常のデータ転送に加え、ライセンス通信もできることが必要であり、MTP通信ソフトウェア自体にライセンス通信の機能を組み込む必要がある。

今回の「WMA/DRMデコードミドルウェア」は、MTP通信ソフトウェアへのライセンス通信機能の組み込みを容易にするため、プロトコル拡張APIを用意。MTP通信ソフトウェアは、この拡張機能を備えるだけで、通信処理時に本ミドルウェアをMTPソフトウェアの一部として動作させ、ライセンス通信を行えるようになる。

<コメント>
携帯電話を対象にした音楽配信サービスがいくつかアナウンスされているが、その中でもWMAを利用したものが今後伸びてくることを想定したミドルウェアと考えられる。如何に簡単に組み込めるかをアピールしているリリースだが、その中でWindows Media DRMの仕組みが垣間見える。

関連リンク:ルネサステクノロジの発表リリース

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