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NECなど、高速移動中の乗り物からのブロードバンドインターネット接続の実証実験を開始

NECは、既存の無線インフラを活用することで、高速に移動するバスや列車などの乗り物からのブロードバンドインターネット接続のシステムを経済的に実現できる「BBRideシステム」の高速バスでの実証実験を、NECコンピュータテクノ、京王自動車、山梨交通観光バスの協力を得て開始したと発表した。

今回の実証実験では、2006年1月から3月までの3ヶ月間、東京都府中市と山梨県甲府市を結ぶ法人向け路線バスにおいて、乗客に走行中のバス内からのインターネット接続を体験してもらうもの。

航空機や列車のような公共交通機関でのブロードバンド接続の実現に向けては、衛星通信や無線LANを活用した地上-移動体間の通信技術が検討されている。しかし、衛星通信の場合はトンネルなどによる不感地帯の発生、無線LANの場合は新規インフラ構築コストの増大などの問題点がある。そのため、新たなインフラの導入コストを最小化し、乗客に対して、常時、高速に移動する乗り物からでも広帯域な通信が可能なアクセス回線を実現できる技術の開発が求められていた。

NECでは、これらの問題を解決するためにBBRideシステムを開発、既存の携帯電話網や無線LAN等の複数の異なる無線回線を高効率に束ねる多重化技術(モバイル・インバース・マックス)や最大16個の通信インタフェースが搭載可能な車載型モバイルルータの開発などにより実現したもの。

NECでは今後、さらに通信事業者や交通機関各社の協力も得て、多様な乗り物からのブロードバンド接続サービスの実用化を目指すとしている。

<コメント>
屋外のブロードバンドインターネット利用は無線LANスポットなどいくつか出てきてはいるものの、多くが固定ポイントでの利用を想定している。一般的なインターネット利用可能な屋外活動といえば、移動中である場合が多く、このサービスが実現できるれば、より有効に活動時間を配分できるようになるだろう。

関連リンク:NECの発表リリース

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