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シチズン、電源を切っても表示が持続する『メモリー性液晶』を開発

シチズン時計は、電源を切っても表示が維持される「メモリー性液晶ディスプレイ」の開発に成功したと発表した。

従来の液晶で使用されているポリイミド配向膜の代わりに、素材として無機配向膜を採用、配向膜と液晶分子との極角度を20度近くに設定することにより、液晶ディスプレイにおける十分なメモリー性の確保に成功した。

これまで通常の液晶ディスプレイは、表示をしている間は常時電力を消費し続けており、その低消費電力化には限度があったが、画像の書き込み時以外には電力を必要としないため、従来の液晶と比べて約1/50(※書換頻度1/10secの場合)という低消費電力を実現した。

またガラス基板のギャップを、従来の液晶の約1/3以下(約1.7um<マイクロメートル>)にすることで、メモリー性がより良好に発現、また駆動電圧も5vという低電圧駆動が可能となっている。

表示方式にはパッシブマトリックス方式を採用しているため、精細な画像表現を実現している。

今後は、電子棚札や各種メータなどの液晶表示部、携帯電話のサブ液晶ディスプレイ、電子ブックや電子ペーパーなどの幅広い分野で普及を図っていくとしている。

<コメント>
最近のポータブルプレーヤーでは動画再生を主目的にした大画面カラーディスプレイ搭載のものが増えているが、オーディオプレーヤーとしてならば、アーティスト名や曲名がきちんと表示されればよく、書き換え頻度も高くする必要はない。カラー化も実現できるのであれば、ひとつの用途として考えられるのではないだろうか。

関連リンク:シチズンの発表リリース

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