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ソニー、ぶどう糖で発電するバイオ電池を開発

ソニーはぶどう糖の分解作用を用いて発電するバイオ電池を開発したと発表した。

今回、開発されたのは、植物に含まれる栄養源である炭水化物(ぶどう糖)を酵素で分解して活動エネルギーを取り出す生物のしくみを応用し、活動エネルギーのかわりに電気エネルギーを取り出して発電するバイオ電池。

ぶどう糖は、太陽光を受けた植物が、光合成によって合成する物質の1つで、地球上に豊富に存在する再生可能なエネルギー源であり、ぶどう糖で発電するバイオ電池は、環境にやさしい将来のエネルギーデバイスとして期待されている。

ソニーでは、ぶどう糖を効率的に分解して電気エネルギーを取り出せるよう、酵素と、電子伝導を助けるための電子伝達物質を、活性を維持した状態で高密度に電極(負極)に固定化する技術、また、反応に必要な酸素を効率的に取り込めるように、電極(正極)内の水分を適度に保つ技術を開発し、これら2つの技術に最適化された電解質を用いることで高出力の発電を可能とした。

試作品したバイオ電池は、負極に接するタンクにぶどう糖溶液を滴下するだけで、溶液の攪拌が不要で、酸素も外部からの自然拡散によって正極に取り込むパッシブ型。1辺39 mmのキューブ状のバイオ電池1ユニットで50 mWの世界最高出力を達成した。

また、このバイオ電池4ユニットを直列に接続することでメモリータイプのウォークマン(NW-E407)とパッシブ型スピーカー(ウォークマンからの電源供給で作動)をバイオ電池の電源のみで動作させて、音楽を再生させることに成功している。

<コメント>
こうした新しい電池技術には低電力のオーディオプレーヤーが試作対象として合っているのだろう。主に環境対策を想定した取り組みのため、どの程度の製品化可能性があるか分からないが、とりあえずプレーヤーの何倍もある電池の小型化が必要だろう。

関連リンク:ソニーの発表リリース

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