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NTT、人の体の表面を伝送路とするヒューマンエリア・ネットワーク技術を製品化

日本電信電話(NTT)は、NTTのマイクロシステムインテグレーション研究所が人の体の表面を伝送路とする新しいヒューマンエリア・ネットワーク技術「レッドタクトン(RedTacton)」の基盤技術の開発に成功したと発表した。

レッドタクトンは、電波や光ではなく、体の表面電界による通信技術。送信機は、データ信号を変換した微弱な交流電界を体の表面に誘起します。受信機は、この電界を検出し、データ信号に変換する。

今回開発したレッドタクトンは、すべて電子部品で構成されており、オフィスセキュリティを主な利用領域とした性能(230kbps高速転送、低消費電力)を備えている。これをうけ、NTTエレクトロニクスは、本技術を用いた製品「商品名”Firmo”(フィルモ)」を開発し、2008年4月23日よりサンプル発売を開始する。

Firmo(フィルモ)は、送信機や受信機などをセットにした評価キットでの発売を開始し、2008年6月末より出荷予定。価格は80万円/セット。

なお、NTTではレッドタクトンの利用領域を広げるため、映像・音声データの再生など高速通信が可能なデータ通信版(伝送速度10Mbps以上、光学センサ使用)の研究開発とその低コスト化も進めているとしている。

<コメント>
レッドタクトンは当サイトでも2005年2月に取り上げている。その際は最大10Mbpsの新たな通信技術との触れ込みだったが、製品化に当たってはコストに応じた収益が見込めるマーケットとしてセキュリティ分野を選んだと言うことだろう。音声データを通信できるようになれば、ポケットに入れた携帯プレーヤーとヘッドホン間をワイヤレスで結ぶ新たなデバイスの登場も期待できるが、やはりコストの課題は付きまとうことだろう。

関連リンク:NTTの発表リリース

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