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NECエレ、デバイス・ワイヤー・アダプター機能を搭載したワイヤレスUSBシステムLSIを発表

NECエレクトロニクス(NECエレ)は、ワイヤレスUSB対応パソコンなどのホスト機器とUSB2.0対応のプリンターやデジタル家電などの機器間を無線で通信可能とする、デバイス・ワイヤー・アダプター機能を搭載したシステムLSI「μPD720180A」のサンプル出荷を開始したと発表した。

ワイヤレスUSBはUSB2.0と同等の最大480Mbs、通信距離は最大10mの無線通信を実現する通信規格。

NECエレでは、2005年12月に世界で初めてホスト・コントローラLSI「μPD720170」を製品化、さらに2006年9月には主としてUSBハブやプリンターなどの機器に用いられるデバイス・ワイヤー・アダプター用LSI「μPD720180」を投入した。

しかし、μPD720180は使用可能な周波数帯を当時日本で許可されていた周波数を含む3GHzから5GHzに設定していたため、複数の周辺機器を接続すると通信速度が低下してしまうといった課題があった。

新製品は、利用周波数帯域が新たに5GHzから10GHzの対応を加えており、使用可能な通信帯域を大幅に広げていることが最大の特長となっている。これにより複数の周辺機器とのUSB通信を行うと通信速度が低下するといった現象を解消でき、機器間の混信などの危険性が低下し通信品質の向上が図れるため、ワイヤレスUSBシステムの普及に貢献できるとしている。

また、2008年3月に市場投入を行ったホスト・コントローラ用LSI「μPD720171」はすでにこの幅広い周波数帯への対応が可能となっており、新製品と組み合わせることで、より確実なUSB通信を実現することが可能になる。なお、従来品とドライバソフトの互換性を有しているため、機器メーカーは信頼性の高いドライバソフトを即時利用することができるというメリットがある。

サンプル価格は1,000円/個、量産は2008年10月より開始、2009年10月には月産50万個程度の量産を計画している。

<コメント>
携帯プレーヤーも大容量化に伴い、デジタルコンテンツの転送には高速化が求められる一方、コネクタ部分がデザイン面、強度面、利便性の点で課題となっていた。データ転送の無線化としては、主役と見られていたワイヤレスUSBがなかなか普及せず、ソニー主導の「Transfer Jet」という近接間通信も準備段階に入っており、まだまだ予断を許さない状況にある。

関連リンク:NECエレクトロニクスの発表リリース

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