トップページ»技術情報»ソニー、1本のケーブルで機器内データ伝送と電源供給が可能な技術を開発

ソニー、1本のケーブルで機器内データ伝送と電源供給が可能な技術を開発

ソニーは、データ伝送と電源供給を1本のケーブルで行なうことを可能とする信号・電源統合伝送技術「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発したと発表した。

今回開発した「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」は映像、音声、制御信号等、複数種類の信号を時分割多重することにより、1本のケーブルで各種信号の双方向伝送を可能とした。

さらに、その信号線に電源も重畳し、また、独自開発の多値符号を用いることで、直流成分を抑圧し、かつ、使用する周波数帯域を抑えて、電源供給とデータ伝送の高速化を図っている。

この技術により、モバイル機器の折り曲げや回転などの可動機構部内における映像、音声、制御信号や電源など、これまで数十本のケーブルで行っていた機器内配線を1本のケーブル(銅線)にまとめることが可能になり、可動機構を持つモバイル機器のデザインの自由度、信頼性や耐久性の向上に寄与するとしている。

ソニーは技術の早期実用化に向けて、周辺技術分野で実績のあるロームとアナログ部の試作チップの共同開発を行い、技術検証をしており、今後は、今回開発した技術のうち、ソニーが開発したデジタル部のIPをロームへライセンスし、アナログ・デジタルを合わせた送信側・受信側、双方の回路の1チップ化を進めるとしている。

<コメント>
携帯電話やノートパソコンなど折り曲げ部がある機器は、そのヒンジ部分にケーブルを通す必要があり、そのデータ量の増大によって本数が増えていた。それを要因としてデザイン上の制約も大きくなっていた。今回発表された技術はそうしたデザイン上の制約を解決する方法として期待される。また、工夫によってはメディアプレーヤーへの適用も検討できるのではないか。

関連リンク:ソニーの発表リリース

【広告】

コメント&トラックバック

トラックバックURL:http://www.emd.gr.jp/2010/08/23/1265/trackback/