2001/07/16
JASRAC、「著作権信託契約約款」をネット上で公開
 
 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は2001年6月20日の総会で承認された2002年4月から適用予定「著作権信託契約約款」をネット上で公開した。

 この約款は2001年10月、仲介業務法に代わって「著作権等管理事業法」が施行された後、管理手数料規程、分配規程などを含め「管理委託契約約款」として文化庁長官への届出る予定のもの。 現在、JASRACへ著作権管理を委託している著作権者との信託契約は、2002年4月から新しい信託契約約款を含めた「管理委託契約約款」に基づいて履行される。

 大きな変更点として、これまで一括して取り扱われていた著作権に支分権による区分と利用形態による区分を設定し、個別に管理を委託することができるという点。
 支分権とは「演奏権等」「録音権等」「貸与権」「出版権等」の4つの区分を指す。利用形態による区分の内、「映画への録音」「ビデオグラム等への録音」「ゲームソフトへの録音」「コマーシャル放送用録音」の 4つは「録音権等」の中に内包され、「放送・有線放送」「インタラクティブ配信」「業務用通信カラオケ」は各支分権を横断するものとして設定されている。
 例えば、インターネットの音楽配信は「インタラクティブ配信」に含まれ、この利用形態に含まれる4つの支分権を別個に委託することができる。

 なお、JASRACから別の著作権管理事業者に委託を変更する場合の手続き締め切りは2001年11月末日までとなっている。

 ※編集注:2001年7月16日現在、JASRACのホームページ上では新しい約款を2001年4月から適用予定と表記されているが、約款の中では「平成14年4月」となっているため2002年4月の間違いと判断して掲載する。

<コメント>
いよいよ著作権管理業務がJASRACの独占状態から脱する準備が進んでいるものと理解できる。著作権の図示などは分かりやすいが、管理手数料や分配規定がまだ未定であること、 他の事業者への変更手続きが法律施行後2ヶ月しかないこと、約款によると委託契約が5年間に及ぶことなど、今後物議を醸す懸念は残っている。

関連リンク:JASRACの発表リリース
 
 
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