2001/09/03
ベリマトリックス・ジャパン、電子透かし技術を利用した
音楽配信サービスを開始
 
 ベリマトリックス・ジャパン(ベリマトリックス)は、2001年9月1日より『電子すかし証明書(PKI/Watermarking)』技術を利用した音楽配信サイト「VeriMusic」をオープン、シンコ−・ミュージックに対しサービスを開始した。

 配信ファイル形式はMP3。Real Playerでの試聴が可能となっており、決済手段はクレジットカード(JCB、VISA、Master、ミリオン、AMEX、Nicos、Diners)が利用できる。
 楽曲ファイルには売買契約の電子署名にリンクする32桁のシリアルIDが埋め込まれている。この売買契約はベリマトリックス会員規約に合意した段階で付与される電子証明書を用いて、楽曲の購入ごとに行われる。
 楽曲ファイルの私的な目的(最低限のバックアップ、個人的アルバムのための編集など)でのコピーは自由に行うことができ、またバックアップの際に追加ライセンスなどを支払う必要はないが、「第三者に複製を渡すこと」「ホームページ等に公開すること」「その他、サービス利用規約及びベリマトリックス会員規約にて禁じられていること」は制限されている。
 これらの制限行為は、同社の監視システム「PiracyWatch」により監視され、 確実に把握することができる。また、これらの技術は、音声ファイルの品質にはほぼ全く影響を及ぼさないとしている。

 「VeriMusic」へ出店する音楽プロダクションやアーティスト、スタジオ等は、初期費用として5万円(税別)、月額メンテナンス料として売上金から数パーセント徴収されるだけでクレジットカードを使ってコンテンツを買える本格的な配信サイトを開設でき、 ベリマトリックスが提供する電子すかし証明書を使った海賊版探査サービスなどの付加サービスを受けることができる。

 サービス開始時に配信するのは、シンコー・ミュージックのCosmix Recordsが先に発売したcloudicaのオリジナルアルバム「fractionboard」の楽曲全6曲。 新人アーティストの評価・支援はシンコー・ミュージックが行い、サイトの運営はベリマトリックス・ジャパンが直接担当する。

 ベリマトリックスでは、音楽をはじめとして、デジタル出版物、ソフトウェア、ゲームなどのデジタル・コンテンツに関する海賊行為に対処するソリューションを提供していくとしている。

<コメント>
電子透かしのみを用いた音楽配信サービス。これまでのDRMシステムではコンテンツの使い勝手が悪い点を解決するソリューションとしてアピールしている。 電子透かし分野では2000年に実施されたJASRACのテストで名前の挙がった企業と提携関係にあり、技術的には期待できる。 ただ、決済系はミュージック・シーオー・ジェーピーと協力しているようで、表示などには一部混乱した部分も見られる。

関連リンク:ベリマトリックス・ジャパンのサイト
       VeriMusicのサイト
 
 
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