国際レコード産業連盟(IFPI)は、インターネットを介して音楽を配信できる放送事業者向けライセンス制度を発表した。
このライセンス制度では、放送事業者はレコードレーベルと一度契約を結ぶことにより、制作した音楽番組を加盟各国でインターネットを介して同時に配信することが認められる。
この制度に加盟した国は現在までに24ヶ国。最終的には30ヶ国を越えると予想されている。
音楽番組の同時配信(simulcasting)は人気の高いインターネットプログラムで、3年前には75事業者しか存在しなかったが、今では5,000を越える事業者が同時配信を行っていると見込まれている。
ただ、これまでは音楽番組の同時配信をする際に配信する国ごとにライセンス契約を結ぶ必要があった。今回の新しい制度ではこの手間を省くことができる。
このライセンス制度は1年の試用期間を経て、2002年5月31日から実施運用される。
IFPIはメジャー、インディーズ含めた1,400以上のレコード会社を代表する業界組織。今回のライセンス制度は、合法的なオンライン音楽市場形成のための重要な第一歩としている。
なお、加盟24ヶ国は以下の通り。オーストリア、デンマーク、ドイツ、ギリシア、アイルランド、オランダ、ポルトガル、スウェーデン、イギリス、チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、スロバキア共和国、
カナダ、香港、マレーシア、シンガポール、ニュージーランド、台湾、南アフリカ、アルゼンチン、メキシコ、ペルー、ベネズエラ。
<コメント>
放送事業者による同時配信という限定された範囲ながら、インターネットという国を越えたメディアにおける国際的なライセンス問題という難しい課題に取り組んだことは評価できる。
ただ、加盟国に日本とアメリカが入っていないことが気になる。
関連リンク:IFPIの発表リリース |