2001/09/26
BaySide Music、閉店を発表
 
 NTTソフトウェアが運営するオンラインショッピングモール「BaySide(ベイサイド)」内で提供していた有料音楽配信サービス「BaySide Music」が2001年10月20日をもって閉店すると発表した。

 「BaySide」は、音楽や映像などのデジタルコンテンツや物品の販売を行えるショッピングモールとして1999年7月16日にオープン。同年7月27日には「SolidAudio方式」を採用した音楽配信事業の運用代行サービスを発表、 同年11月19日より「BaySide Music」として有料での本格サービスを開始した。

 「BaySide Music」で採用していた「SolidAudio」は、日本電信電話(NTT)と神戸製鋼所(神戸製鋼)が開発、1998年7月23日に発表したプロジェクトを基礎として展開していた規格。

 音声/音楽の圧縮技術にはNTTヒューマンインタフェース研究所が開発した高品質音楽圧縮技術「TwinVQ」を採用、神戸製鋼電子情報研究所が「TwinVQ」をDSPに実装し、 超薄型ポリマー2次電池の採用などにより、カードサイズ(厚さ8mm強)、重さ45gという世界最小サイズ(当時)の携帯プレーヤーを作り上げた。

 翌1999年2月23日には、固有ID付きメディアを用いたコンテンツ保護流通方式「InfoBind(インフォバインド)」を発表、「SolidAudio Player」とNTTの情報流通プラットフォーム「Infoket(インフォケット)」に組み込み、 固有ID付きスマートメディアを用いることで著作権保護に留意した音楽配信サービスのインフラを整えた。

 その後、1999年7月30日にハギワラシスコムより神戸製鋼からOEM供給を受けた「SolidAudio Player SD-1」が発売、以後、日立マクセル、富士フイルムアクシア、東芝などから対応プレーヤーが発売されていた。

 今回の閉店に至った理由や経緯などについては触れられていない。なお、BaySideでは、物販サイト「BaySide Promenade」を2001年9月28日に、ビジネス・書籍など情報ダウンロードサービス「BaySide Library」を2001年10月20日に閉店することも合わせて発表している。

<コメント>
SolidAudioは他にも採用を発表していたサービスはあるものの、事実上の終焉と見られる。純国産の技術で構築された配信システムやプレーヤーは、その技術力の高さに期待されたが、市場で主導権を得るまでには至らなかった。 TwinVQなどの技術は個別に名前を変えて利用されていくものもあるだろう。

関連リンク:BaySideのサイト
       SolidAudioのサイト
 
 
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