音楽電子事業協会は、MIDI音楽データの違法使用を抑止する標準MIDI電子透かし埋込ソフトウェアMIDI Signと、データの権利管理情報を規定するInternational Standard MIDI Code(ISMC)規格の運用を2001年12月1日より開始すると発表した。
ISMC規格によって、MIDI音楽データ個々に世界で唯一無二の番号を与え、製作者を特定することができるようになる。さらにその番号を MIDI Signによって情報の改ざんがしにくい電子透かしとしてデータに埋め込む。
このMIDI SignとISMC規格の普及により一般ユーザーから海賊版業者に至るまで、違法な使用の抑制を強めることができ、データ製作者はもちろん、作詞、作曲家の権利保護を促進し業界の健全な発展に寄与できるものとしている。
ISMC番号の管理運営は音楽電子事業協会が行い、違法使用者への警告なども権利者と連携することを想定している。また、海外でのMIDI規格団体である MMA( MIDI Manufacturers Association)とも、この「ISMC」を世界標準規格とすることで協議に入っているとしている。
事業者、権利者にとって、MIDI SignとISMC規格利用のメリットとしては以下のようなものがあげられている。
1) JASRACネットワーク課に支払う著作物使用料の5%減額
2) 違法使用を摘発した場合、ISMCがデータ製作者を証明する重要な証拠となる
3) 違法使用者への警告は音楽電子事業協会、同会員企業、JASRACの連携で行う
4) 第2層透かしと掛け合わせて利用することが可能
5) ロゴマークの使用
なお、4)の第2層透かしに関しては以下の企業(商品名)を推奨している。
・エム研(acuaporta)
・M-ZoNE(Lip Sign)
・日本ビクター(Music Sign)
・ヤマハ(Mid Stamp)
<コメント>
当サイトでは基本的にMIDIを扱っていないが、電子透かしを著作権保護の仕組みとして用い、デジタルコンテンツの流通を促進する仕掛けまで出来上がっていることは興味深く、取り上げてみた。電子透かしの利用法としては理想型と言える。
関連リンク:音楽電子事業協会のサイト |