2002/01/29
JASRAC、日本レコード協会ら、
ファイル交換サービス運営会社に対し、国内初の仮処分申請
 
 JASRAC(日本音楽著作権協会)および日本レコード協会会員等19社は、有限会社日本エム・エム・オーに対し、市販の音楽CDを複製したMP3ファイルの交換停止を求める仮処分を東京地方裁判所に申し立てたと発表した。

 日本エム・エム・オーは、2001年11月よりインターネット上に「ファイルローグ」の日本語版サイトを開設、このサービスを利用するために必要なソフトウェアを無料で配布、ファイルローグサーバに接続した多数の利用者間で音楽ファイル等電子ファイルを交換するサービスを提供している。

 JASRACと日本レコード協会の調査によれば、「ファイルローグ」上で公開されているMP3ファイルのほとんど全てが、市販の音楽CD等から作成された権利侵害物であり、「ファイルローグ」によって管理著作物の複製物であるMP3ファイルを交換することは、著作権法が定める複製権、公衆送信権(送信可能化権を含む)の侵害に当たり、 また、日本エム・エム・オーについても、「ファイルローグ」の利用者がこのような侵害行為に出ることを織り込んでビジネスとしてサービスを提供することにより、共同して侵害行為をし、又は侵害行為を惹起し助長しているとしている。

 JASRACおよび日本レコード協会では、このファイル交換サービスに対する著作権侵害差止請求訴訟の提起を準備しているが、本案判決を得るまでの間もサービスが続いており著作権侵害行為を放置しておくことで回復し難い損害を被ることが明らかであるため、同社に音楽ファイル交換サービスを直ちに停止させ、著作権侵害の防止措置をとらせるよう、今回の仮処分申立てをしたものとしている。

<コメント>
CDの販売実績の落ち込みの要因がファイル交換サービスにあるという論拠には諸手をあげて賛成しかねる部分もあるが、それと著作権の問題を一緒にしてはいけない。不特定多数への複製方法の開示は違法行為であるし、このような事態は容易に予想されていた。この機会に再度著作権に対する冷静な意見が交わされることを願う。

関連リンク:JASRACの発表リリース
       日本レコード協会の発表リリース
 
 
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