2002/05/30
日本レコード協会など、ファイル交換ソフトによる
音楽ファイルのダウンロード実態調査を発表
 
 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と社団法人日本レコード協会(RIAJ)は、「ファイル交換ソフト利用実態調査」を実施し、報告書として発表した。

 この調査は、日本国内における「WinMX」をはじめとするファイル交換ソフトの利用実態を様々な側面から、総合的かつ定量的に把握することを目的として実施したもの。2001年7月に中間報告を発表しているが、今回はその最終報告となる。

 報告書によると、国内でのファイル交換ソフトの利用者は、2002年1月の時点でインターネットユーザー人口全体の3.0%に当たる約68.4万人と推計され、2001年5月の調査結果の約100万人から約32万人弱減少したことになる。
 この主な要因としては、「Napster」のサービス停止、昨年11月の「WinMX」ユーザーの刑事摘発報道による著作権意識の浸透等、であると考えられるとしている。

 よく利用するファイル交換ソフトは「WinMX」が79%と最も多くなっており、ファイル交換ソフト利用者のうち47%が、1人当たり平均121ファイルを「公開」したことがあり、また現在利用者1人当たり平均117ファイルをダウンロードしている。
 そのうちの「音楽ファイル」のダウンロード数は平均75ファイルであることから、音楽ファイルのダウンロード総数は約7,500万ファイルに達しており、同数の音楽ファイルが送信されていたことを意味していると推測している。

 また、ダウンロードされた音楽ファイル件数を、CD購入経験の有無別に分析してみた結果、購入者が平均58件なのに対して、未購入者が84件という結果から、『ファイル交換ソフトが音楽の需要拡大に役立つ』という意見に反論している。

 なお、ファイル交換ソフトを利用し、無許諾で他人の音楽やソフトウェア等の著作物等をネット上に「公開」(アップロード)することや実際に公衆に対して送信することは公衆送信権(著作権法23条1項)や送信可能化権(同法96条の2)の侵害に当たることから、今後も「速やかに」かつ「多方面から」の対策を講じていくとしている。

<コメント>
もちろん、調査にはその実施者の意図というものが反映されるものであり、それが実態であると信じることはできない。ただし、報告書を見るとファイル交換サービス支持者の論調に反論すべくCDの購入経験なども調べており、なかなか的確な調査にはなっている。ファイル交換サービスの支持者はこれに反する調査結果を出してもらいたいもの。

関連リンク:日本レコード協会の発表リリース
 
 
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