2002/09/20
NTTコムウェア、次世代DRM(デジタル著作権管理)システムを発表
 
 NTTコムウェアは、デジタルコンテンツ流通ビジネスの基盤プラットフォームとして次世代DRM(Digital Rights Management)を指向する「著作権クリアランスシステム」「動的価値制御DRMシステム」を開発したと発表した。

 「著作権クリアランスシステム」は、著作権所有者と流通事業者との間の煩雑な利用許諾契約の締結を行なうシステム。
 著作権の一括管理は、コンテンツIDフォーラム(cIDf)の提唱する著作権管理ガイドラインに準拠した「コンテンツID管理システム」を基盤としており、著作権所有者があらかじめ「複製権」「公衆送信権」などの権利ごとに利用料金など利用許諾条件、配信方法や期間などの利用制限をデータベースに登録、流通事業者が利用したいコンテンツを指定すれば、著作権所有者が特定され、画面に表示される利用許諾を受ける必要がある権利の一覧、またそれに伴う条件に同意し利用を申請すれば、必要となるすべての権利の利用許諾契約を締結することができる。
 同時に、著作権所有者、流通事業者双方の電子署名を施した契約書作成が作成され、システムに保管・管理されます。これは、権利料徴収等に用いるデータとして利用できる。

 「動的価値制御DRMシステム」は、コンテンツの内容と価格を提供時ではなくユーザーの利用時に確定させることができるシステム。
 デジタルコンテンツ流通事業者などが配信する、暗号化されたコンテンツをダウンロードしたエンドユーザーが、「ダイジェスト版」「画質や音質の劣化版」「任意箇所の隠ぺい版」などに対応する専用の解読鍵を入手し、専用プレイヤーを用いてコンテンツを再生できる。
 流通事業者は、利用条件を設定した各版ごとの解読鍵を販売することで、コンテンツの公開内容をコントロールできる。利用条件は、現在、画質、音質に対しマスクをかけるなどの特殊効果を組み合わせ800パターンが設定できる。
 現在は専用プレイヤー方式となっているが、Windows Media Player等、広く普及しているメディアプレイヤーへのプラグイン方式も検証中としている。

 NTTコムウェアでは、両システムを足がかりに、著作権所有者、著作権管理者、コンテンツ流通事業者など、コンテンツ流通ビジネス分野で広く協業パートナーを募り、著作権保護・流通マーケットに進出していく予定としている。

<コメント>
「著作権クリアランスシステム」は、デジタルコンテンツに関わる各種の権利をシステムにより管理しようというもので、電通のMelodiesなどの取り組みがある。「動的価値制御DRMシステム」はオーディオだけでなくビデオコンテンツも対象にしているようだが、専用プレーヤーを使う以上は普及は難しいだろう。実際に利用されるサービスの登場が待たれる。

関連リンク:NTTコムウェアの発表リリース
 
 
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