東京地方裁判所は、インターネットを利用して音楽ファイルを無料で交換させるサービス「ファイルローグ」の運営者である日本MMOに対して音楽ファイルの送信差止めを命じた上、同社及びその代表者松田道人氏に対して著作権侵害による損害賠償金の支払を命ずる判決を下した。
この裁判は、JASRACと日本レコード協会(RIAJ)、レコード会社19社が2002年2月、ファイルローグを運営する日本MMOに対しサービスの差し止めと約3億6500万円の損害賠償を求めたもの。
判決では日本MMO側に総額約6,689万円の支払いを命じ、レコード会社らが著作権を持つ楽曲のMP3ファイルの送受信を禁じた。
損害賠償金については、JASRACが文化庁長官に届出た使用料規定の合理性を認めた上で、当時のインターネットをめぐる技術的環境を前提として、現実にダウンロードすることができた音楽ファイル数をも勘案して、請求額の概ね10分の1に相当する3000万円をもって使用料相当損害額と判断された。
一方、RIAJの損害賠償額については、「1ファイルあたりの月額使用料が少なくとも2,000円を下回ることはない」という原告の主張が認められ、それにファイルローグでアップロードされていたファイル数を乗じた約3,689万円という額となった。
<コメント>
すでに終了しているサービスだけに今さら感は強いが、これでサーバー−クライアント方式のPtoPサービスがビジネスとして成立しづらいものであることが明確となった。目下の問題は中央サーバーを必要としないPtoP技術となっている。
関連リンク:JASRACの発表リリース |