2004/03/03
KDDIなど、地上デジタルラジオの実証実験を公開
 
 KDDI、エフエム東京(TOKYO FM)及びバイテックは、2003年10月より実用化試験放送が開始された地上デジタルラジオの受信機(試作機)を開発、この受信機を用いた放送・通信の連携サービスの実証実験を、2004年3月4日から3月6日まで、東京タワー2階の特設会場で一般公開すると発表した。

 受信機は、モバイル通信機能付きPDAと1/3セグメント対応地上デジタルラジオ受信ユニットで構成され、バイテックが主に地上デジタルラジオ受信ユニットの開発を、KDDIが主にPDAに搭載するデジタルラジオプレイヤー(デジタルラジオ受信用アプリケーション)の開発を担当している。

 受信ユニットは、フロントエンド部(アンテナを含む)、メイン部、バッテリー部に分かれて構成され、フロントエンド部で受信した放送波をメイン部で受け、英国のAlphamosaic社製「Video Core」をメインDSPとして使用し、音声・簡易動画・データに分割(デ・マルチプレックス)し、デコード処理などをソフトウエア処理で柔軟に対応している。
 音声(MPEG2-AAC)は受信機側でデコードして再生、簡易動画(MPEG4)・データ放送についてはUSB1.1を介してデータをPDA側へ転送している。
 特徴として、バイテックで開発したデ・マルチプレックス機能を「Video Core」上にポーティングすることで、複数の処理を1チップで実現したことが挙げられている。

 デジタルラジオプレイヤーは、データ放送(BML)・簡易動画・EPG(電子番組表)等の放送コンテンツを表示し、放送コンテンツからインターネットへの接続機能などを搭載している。

 今回の実験では、開発した受信機を用いて、地上デジタルラジオ3セグメント放送のサービスで、ダウンロード、ラジオショッピング、電子番組表配信、アンケート応募など様々なコンテンツを幅広い年齢層のモニターに体験してもらうことを目的としている。

 この実証実験は、TOKYO FM、ニッポン放送及びジャパンエフエムネットワークが運営するデジタルラジオ東京98ch "Digital Radio 98 The Voice" が実際にオンエアしている番組 "This is the Voice 98" を使って行われる。

<コメント>
注目すべきは実験で行われるダウンロードサービス。ラジオで流れている曲を、そのままネット経由で認証・課金し、ファイルは放送電波でダウンロード・購入できる仕組みが実現されている。実験ではファイル形式はWMAを利用しているなど、新しいオーディオプレーヤーのビジネスとして興味深い。

関連リンク:KDDIの発表リリース
 
 
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