エイベックスは同社が音楽CDに採用しているコピーコントロール機能「CCCD」について、弾力的な運用を行っていくことを発表した。
同社では2002年3月のCCCD導入を決定して以来、原則的に全ての音楽CDタイトルでCCCDを採用。CD-Extra採用ディスクなど、技術的にCCCDの導入が困難な場合を除いて、全てのタイトルをCCCDでリリースしてきた。
これに対し、2004年9月22日以降にリリースするCDから、コピーコントロール機能を施すか否かについて、商品ごとに弾力的に決定していくこととした。
同社では、今回の決定について「2002年より導入してきたCCCDでは、著作権の重要性を啓発し、カジュアルコピーを防ぐことを目的としていた。著作権の重要性がある程度認知されたほか、ファイル交換ソフト利用者の減少など、その取り組みが一定の成果を挙げることができたと判断したため」説明している。
また、「iPodに代表されるようなHDDオーディオプレーヤーのさらなる普及を予想しており、新しい音楽の楽しみに対応することも理由のひとつ」としている。
さらに、2004年9月よりスーパーオーディオCD(SACD)やDVDオーディオの積極採用も予定。SACDではCDとのハイブリッドディスクを、DVDオーディオではDVDビデオとのハイブリッド仕様や5.1ch収録など同じ音楽コンテンツを複数の様式を予定している。
なお、「HDDオーディオプレーヤーへの転送やCD-Rコピーを可能にする新しいDRM技術が開発されれば、新技術の導入も積極的に検討していく。今後も著作権侵害およびこれに類する行為には、法的手段を含め断固とした対応を行なっていく」ともコメントしている。
<コメント>
リリースからはiPodに代表されるHDDプレーヤーで利用できないことに対する消費者の要望に応えたものと見ることができる。ただし、この間には経営陣の交代もあり、方針の転換が単純な理由によるものとも思えない。また、DVDビデオの映像と組み合わせたパッケージも人気を博していることから、CDというメディアの縮小もあり得るのではないだろうか。
関連リンク:エイベックスの発表リリース |