総務省は、情報通信審議会から「IMT-2000との共存下におけるPHSの高度化に必要となる無線設備の技術的条件」について答申を受けたことを発表、内容では高度化方策の組合せによって最大1Mbps程度の高速データ伝送速度が可能としている。
総務省の発表によると、PHSについてモバイルインターネットアクセスの手段として今後とも利用の拡大が見込まれるとして、多様化・高度化するユーザニーズに的確に対応していくため、
サービスの一層の高度化に向けた新たな技術の導入等についての検討が必要としている。また、PHSは第3世代移動通信システム(IMT-2000)と周波数が隣接していることから、PHSの高度化に当たっては、
干渉軽減方策の検討を行うことも必要としている。
具体的には、PHSの高度化技術では、高能率変調方式を導入し、受信環境に応じてデータ通信速度が最大になるよう最適な変調方式を行う(適応変調方式)。
現在、π/4シフトQPSK方式のみの変調方式を、データ転送量を2倍程度に引き上げる16QAM方式、1.5倍程度の8PSK方式、0.5倍のBPSK方式などと組み合わせる。
さらに、周波数帯域幅を3倍にしロールオフ率を改善、スロット構成の効率化、フレーム当たりのスロット数を4にするといった技術を組み合わせると、受信感度の良好な場所では
現行64kbpsの16倍、すなわち1Mbps程度の高速データ伝送が可能としている。逆に受信感度の悪いところでも低いデータ伝送速度でも通信が可能になる。
また、PHSとIMT-2000の周波数帯が隣接しているためにIMT-2000側にガードバンドを設定している問題については、新たな制御チャネルを設定し現行チャネルと併存させながら段階的に移行し、
さらに高度化PHS側に干渉除去フィルタを導入することによりガードバンドを解消、IMT-2000との共存を図っていくとしている。
総務省ではこの答申を受けて関係省令の整備を行っていく予定。
<コメント>
次世代携帯電話の話題は新聞雑誌などで盛んに取り上げられているが、実際のサービスと消費者に受け入れられる価格になるかはまだ未知数。
一方でPHSは全体的なユーザーは減らしながらもデータ通信需要を伸ばしており、今回の答申でその役割をさらに伸ばすものと期待できる。
関連リンク:総務省の発表リリース |