2001/08/29
関西電力、電力線通信分野で合弁会社を設立
 
 関西電力は超高速電力線通信(PLC:Power Line Communication)技術の開発・実用化に向け、イスラエルの「ITRAN(イトラン)社」と技術提携し、ITRANおよび松下電工と合弁で超高速PLC技術の開発・実用化に関する企画調査を行う「ラインコム株式会社」を設立したと発表した。

 PLC技術は家庭にある電気コンセントを介して、通信を行う技術。新規に通信線を敷設する工事が不要で、コンセントさえあればどこでもインターネットに接続することができる。 通信速度については、ITRAN社の超高速PLC技術により、ADSLを上回る24Mbpsを目指すとしている。ただし、この通信速度を実現するには現在日本国内で規制されている高周波帯域(1.7〜30MHz)を利用できるようになることが条件となる。

 今回の技術提携で関西電力は日本国内におけるラストアクセスのPLC技術、ノウハウの提供等についての独占契約を締結しており、 同社の経営資源である構築済み(一部構築予定)の光ファイバネットワークと既存の電力線を有効に活用できるため、安価なサービスと、早期のサービス実現が可能としている。

 新会社は資本金6000万円。出資比率は関西電力51%、ITRAN43%、松下電工6%となっている。

<コメント>
超高速PLCは新たなインフラ構築コストが削減できるため期待されている技術だが、国内では電力線に流す信号の帯域が規制されているため十分な通信速度が期待できない。 この規制に関しては見直しの気運が高まっており、今回の提携は規制緩和を先取りしたものと言える。

関連リンク:関西電力の発表リリース
 
 
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