米Cable Television Laboratories(CableLabs)は、ケーブルモデムの標準規格「DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification)」の新バージョンを年内に策定、通信速度を30Mbpsまで引き上げると発表した。
DOCSIS2.0となる新たなバージョンではS-CDMA (synchronous code division multiple access)とA-TDMA (advanced frequency agile time division multiple access)という2つの変調方式を採用する。
この2つの変調方式を現行の1.0/1.1と同じチャンネルに共存させることで互換性を確保する。また、アップストリームのスループットを引き上げチャネル容量を増やすほか,耐障害性も高める
現行のDOCSIS1.0では光ファイバーと同軸ケーブルの混在するネットワーク環境に於いて6MHzの帯域当たり5Mbpsの最大データ転送速度(上り)を実現している。
対応モデムを試験・検証中のDOCSIS1.1では同10Mbpsを実現しており、今回策定されるDOCSIS2.0では同30Mbpsまで引き上げる予定。
DOCSIS2.0の策定は2001年内に終了し、対応モデムは2002年に登場する予定。
CableLabsはCATV事業者が共同で設立しているコンソーシアムで、1998年11月の設立以来、Broadcom Corporation、Conexant Systems、Pacific Broadband Communications、Terayon Corporation、
Texas Instrumentsといった半導体メーカー、モデムメーカーと協力し、ケーブルモデムの相互接続性の確保を目的とした規格策定を行っている。
<コメント>
日本に於いてはADSLがCATVを追い抜く日も近いような勢いだが、アメリカに於いてはADSL事業者が相次いで破綻している。元々CATVの普及率が高く、そのインフラを性能向上させていくならば、日本の事情とは大きく異なっていくだろう。
関連リンク:Cable Television Laboratoriesの発表リリース |