住友電気工業は、東京電力と共同で電力線通信PLC(Power Line Communication)用として世界最高速のモデムの開発に成功したと発表した。
このモデムの通信速度はADSLの5〜6倍にあたる45Mbpsを達成。内部にスペインDS2社製のPLCチップを採用し、通信速度の高速化と装置の小型化を実現している。
住友電気工業とスペイン最大の電力会社ENDESAは、2002年2月初旬に行ったスペイン・サラゴサ市内の集合住宅でのこのモデムを使った実証試験に成功している。今後、ENDESAは、今夏より同市内で数千軒規模の試験サービスの開始を予定しており、このモデムを本格的に採用する見込み。
住友電気工業では、この試験サービスを通じてコスト的課題や信頼性を確認した後、ヨーロッパを中心に海外での販売を進めて行く予定としている。
また、モデムチップの高速化により、将来は200Mbpsの通信速度を達成する可能性もあるとしている。
なお、このモデムでは高周波帯域(1.7M〜30MHz)を使用しているため、日本国内では電波法の関係で現状は使用できない。適用周波数の拡大により高周波帯域まで利用可能となった場合には、国内でも積極的に販売していく予定としている。
<コメント>
日本国内では電波法により話題先行となっている電力線ネット。電器製品との干渉など課題も指摘されているため急ぎすぎる必要はないが、あまり海外との格差が開いてしまうようであれば対策は必要だろう。
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