2001/10/12

ソニー、"ミュージックサーバ"「バイオMX」正式発表

 
 ソニーは既に試作機として公開していた「バイオMX」の新モデル「PCV-MXS1シリーズ」を正式発表した。発売予定は2001年10月27日、価格はオープン。

 「PCV-MSX1シリーズ」は、15型液晶ディスプレイが付属する「PCV-MXS1L5」と、本体のみの「PCV-MXS1」の2モデル。

 本体の仕様はCPUにPentium 4/1.5GHz、メモリは256MB(SDRAM)、80MBHDD、CD-R/RW&DVD-ROMコンボドライブを搭載、チューナー付きMPEG-2エンコーダも内蔵する。OSはWindows XP Home Editionを採用。

 新「バイオMX」のコンセプトとして、パソコン自体で音楽を高音質で「聴く」、音楽データをパソコンに「ためる」、ためた音楽を多彩なメディアにコピーして「連れ出す」というこれら3つの要素を兼ね備えた「ミュージックサーバー」の実現を挙げている。

 まず、これまで音楽再生とMDへの録音を行う「Media Bar MX」、音楽CDのハードディスクへの録音を行う「OpenMG Jukebox」、FMの受信を行う「FM Tuner」、 さらに、これらAV機能の統合管理とタイマー設定などを行う「MX Stage」と分散していたオーディオ関連のソフトウェアを、新開発の「SonicStage Premium」に統合、オーディオにかかわるすべてのデバイスを共通の操作性で扱えるようにした。

 「SonicStage Premium」では、CDからハードディスクへの録音(リッピング)、EMDからの曲の購入・取り込み、CD・ハードディスクの再生、ネットワークウォークマンなどのメモリープレーヤーへのチェックアウトに加え、 MDやメモリースティックへの転送、CD-R/RWへの録音(ライティング)、FM放送の録音(エアチェック)、外部入力(光デジタル、アナログ)からの録音にまで対応している。

 また、「SonicStage Premium」には独自の空間リバーブ(残響)アルゴリズム「AirSampler」を搭載、選択された音響空間データを独自の畳み込み演算エンジンを使って再生音にリアルタイムで合成する。

 内部的には、すべてのオーディオデバイスをコントロールでき、音質を損なわない専用サウンド回路「Sony Digital Audio System」を新規搭載、 CD・MD・ハードディスク・メモリースティック・FM・光デジタル入出力・アナログライン入出力など、新「バイオMX」で利用できるすべてのオーディオデバイスをコントロールしている。

 「Sony Digital Audio System」は、オーディオデバイス同士を直結する「ルーティング機能」を備え、常に音源のサンプリング周波数に同期するようになっており、原音を忠実に出力先に伝送する仕組みを備えている。

 さらに、周波数を20Hz〜20kHzの範囲で、1Hz単位で最大6カ所(6バンド)まで指定でき、周波数幅も任意に設定できる「デジタル・パラメトリック・イコライザー」を搭載、 SMEのレコーディングエンジニアのチューニングによるプリセットも設定されており、聴く音楽にあわせて最適なプリセットを選ぶだけでも十分な効果が得られる。これは「Sony Digital Audio System」によるハードウェア処理のためCPUに負担はいっさいかからず、再生音質にも影響しない。

 アンプは20W+20Wに増強、スピーカーも12cmに拡大されたコーン型フルレンジスピーカーユニットと高音域の再現力が高い2.5cmソフトドームツィーターを組み合わせた2ウェイ方式とし、その性能をさらに向上させている。

 内蔵MDデッキを新インターフェース規格「Net MD」に対応させたほか、オーディオデータの携帯利用に関しては、CD-R/RWドライブとメモリースティックスロットの搭載、MDに長時間録音できるMDLPモードへの対応、ATRAC3に加えてMP3/WMAフォーマットでのエンコードにも対応している。

 100BASE-TX/10BASE-T対応のネットワークコネクタも標準搭載。ADSL、ケーブルテレビ、光ファイバーなどのブロードバンドネットワークにも気軽に接続できる。

<コメント>
ただPCのオーディオ性能を高めたと言うだけでないこだわりと新開発の新機能を備えたマシンは、既存のオーディオ製品とEMDを前提とした技術を融合し「ミュージックサーバ」を名乗るのにふさわしいスペックを備えている。

関連リンク:ソニーのバイオMXのページ
 
 
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