●MP3(MPEG1layer-3)
 
ISO(International Organization for Standardization)の下部組織「Moving Picture Experts Group」(通 称MPEG【エムペグ】)によって1992年に標準化された、MPEG1に規定されているオーディオ圧縮符号化方式のひとつ。
MPEG1はビデオCDなどで使われているビデオとオーディオの圧縮技術、およびそのフォーマットをまとめた国際規格で、そのオーディオパートがMPEG 1 Audioと呼ばれる。この中では3レベルのモードを規定しており、最も複雑な符号化を行い、高音質と高い圧縮率を実現させているのがLayer 3になる。
サンプリングレートは32kHz/44.1kHz/48kHzで、モノラル/2チャンネル/ステレオのオーディオ信号を32〜320kbpsのビットレートに圧縮する。
開発は独Fraunhofer IISが担当しており、デコーダ/エンコーダを搭載するソフトウェアやハードウェアを販売する際は同社にライセンス料を払う必要がある。

MP3のライセンスに関するページ

【1/12追加】Fraunhoferと共に基本特許を持つ仏Thomson Multimediaより、より低いサンプリングレートで高音質を実現する「MP3 Pro」の開発が発表された
【6/15追加】MP3Proがリリース
 
●WMA(Windows Media Audio)
 
Microsoftが1999年に発表した音声圧縮符号化方式、およびそれを使用したオーディオファイル。Microsoftではこの名称をストリーミングサービスでも使用しており紛らわしいが、Windows Media Technology(WMT)でサポートされるオーディオ系全般の名称と捉えることもできる。
実際に中身は同社のASF(Advanced Streaming Format)であり、このままで拡張子「.asf」であればストリーミングに、著作権管理情報をパッケージングし拡張子「.wma」のファイルにしたものがダウンロード用になる。また、著作権管理情報をパッケージングしない圧縮ファイルも同様に拡張子「.wma」のWMAファイルと呼ばれる。そのためWMA対応をうたう再生機器でも著作権管理情報をパッケージングしたWMAファイルは再生できない場合がある。

【2000/12/13追加】米MicrosoftはWMAの新バージョン「Windows Media Audio8」を発表。これまでの1/3のファイルサイズで同等の音質を実現したという
 
●AAC
ISO(International Organization for Standardization)の下部組織「Moving Picture Experts Group」(通 称MPEG【エムペグ】)によって1994年に標準化された、MPEG-2 Audioのオーディオ圧縮符号化方式。BSデジタル放送や地上波デジタル放送にも採用されている。
MP3の符号化をさらに発展させており、オーディオ圧縮の基本技術と共に予測量 子化と言った新しい技術も取り入れ、さらに高い圧縮効率を実現している。そのため、ビットレート96kbpsでMP3の128kbpsを上回る音質とされている。また、サンプリング周波数は96kbpsまでサポートしている。
元来は汎用的な規格であるはずが、ソニーの戦略に対抗する図式として松下電器や東芝、サンディスクの推すSDカードと同義で語られることが多い。
 
●ATRAC3
ソニーが開発した音声圧縮符号化方式。
元は1992年に発売されたMD(Mini Disc)に採用されたATRACで、これはCDフォーマットに準じたオーディオ信号を約1/5に圧縮していた(MDの記録容量 は140MB)。1994年にはMDを記録デバイスとして利用するための規格、MD DATA用に圧縮率を2倍に高めたATRAC2を発表。これを1999年にメモリースティックやPC環境に応用したのがATRAC3となる。
同じソニーの開発したメモリースティックやMagicGateと密接に結びついており、同義に扱われることも少なくない。
 
●TwinVQ
NTTサイバースペース研究所が開発した音声圧縮符号化方式。
他の符号化と異なるのは、スピーチ系の圧縮に使われるベクトル量 子化と呼ばれる技術を使っていること。開発元から電話での音声通 話を想定した技術と捉えることもできる。
エラーに強いとされ、MPEG-4のオーディオコーデックに採用されている。プレーヤーに付いてはSolid Audioと呼ばれた一連の製品群が対応していたが、2000年下半期から新製品のアナウンスは聞こえてこない。

【2001年10月20日】BaySide Musicの閉店に伴い、SolidAudio Projectは終了と見られる
 
●OggVorbis
2000年7月にiCastから発表された音声圧縮符号化方式。
大きな特徴はiCastがこの圧縮方式をオープンソースとして公開したこと。他の圧縮方式と異なりライセンス料を支払う必要がなく、自社ソフトに統合したり改良を加えることも可能となっている。
いくつかのフリーソフトウェアやシェアウェアでは対応するものも出てきたが、ハードウェアの対応のアナウンスがまだ聞かれず、今後の見通 しは不透明

【2001年3月1日追加】iCastの事業停止を受けて、OggVorbis開発推進のための「Xiph Foundation」団体が設立された
【2001年6月18日追加】OggVorbis1.0がリリース。サンプリングレートは44.1-48.0kHz、ビットレートは16〜128kbps
【2002年7月20日追加】OggVorbis1.0が正式リリース。
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