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JASRAC、「有期限ダウンロード」「音声番組」の新料率を適用開始

日本音楽著作権協会(JASRAC)は、ネットワーク上の新たな音楽配信形態である「有期限ダウンロード」(いわゆるメディアストレージ型配信サービス)とPodcastingなどの「音声番組」によるダウンロード配信サービスに対応するため、新料率を設定し、2006年6月1日から利用の許諾を開始すると発表した。

新料率については、利用者代表であるネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)と合意のうえ、現行の使用料規程第11節インタラクティブ配信の範囲内で暫定運用するもの。

有期限ダウンロードは、DRM技術により、データを受信した端末でのみ再生が可能であり、ダウンロード後の再生期間に制限がある配信(メディアストレージ型配信)と定義。音楽のダウンロードを主とするものとそれ以外とに区分し、ダウンロード先での再生可能な日数を2段階に分けた上で、それぞれ情報料または収入に応じた1曲ごとの月額使用料率を設定する。

具体的には、商用配信(音楽を主たる目的とする配信)では、再生期限が30日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「情報料の5.6%又は5.6円のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「5円」、収入がなければ「4.5円」。再生期限が7日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「情報料の4.5%又は4.5円のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「3.85円」、収入がなければ「3.5円」。

また、商用配信(音楽以外の著作物を主たる目的とする配信)では、再生期限が30日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「情報料の4.5%又は4.5円のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「3.85円」、収入がなければ「3.5円」。再生期限が7日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「情報料の3.6%又は3.6円のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「3.2円」、収入がなければ「2.8円」。

なお、上記算出の金額が5,000円を下回る場合は、月額5,000円となる。

音声番組とは、Podcastingなどのように1曲または複数の楽曲とコメントなどの音声のみで構成され、分割して受信することができない番組と定義(楽曲のみで構成されたものを除く)。楽曲単位ではなく、番組単位の料率を設定した。

具体的には、再生期限がない場合、情報料及び広告料等収入が有れば「7.7%または7.7円または3.8円×曲数のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「6.6円または3.3円×曲数のいずれか多い額」、収入がなければ「5.5円または2.7円×曲数のいずれか多い額」。再生期限が30日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「5.6%または5.6円または1.4円×曲数のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「5円または1.2円×曲数のいずれか多い額」、収入がなければ「4.5円または
1.1円×曲数のいずれか多い額」。再生期限が7日以内の場合、情報料及び広告料等収入が有れば「4.5%または4.5円または
1.1円×曲数のいずれか多い額」、広告料等収入のみあれば「3.85円または0.96円×曲数のいずれか多い額」、収入がなければ「3.5円または0.8円×曲数のいずれか多い額」。

ただし、7日以内のうち3日または3回までの再生制限があり且つ再生時間が10分以内の場合は、楽曲数にかかわらず、広告料等収入のみ有りの区分については3.85円を2.5円に、収入無しの区分については3.5円を2.25円に月間の総リクエスト回数を乗じて得た額とする。

<コメント>
有期限ダウンロードはWindows Media DRM10での実現が発表されている期限付きコンテンツを想定したものと考えることができる。そうした点も踏まえると、とかく批判されることの多いJASRACではあるが、こうした新しいサービスに対して速やかに対応する柔軟性を有していると言える。

関連リンク:日本音楽著作権協会の発表リリース

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