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シャープ、小型高性能のダイレクトメタノール型燃料電池を開発

シャープは、モバイル機器向けのダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)において、世界最高の出力密度0.3W/ccを達成したと発表した。

ダイレクトメタノール型燃料電池は、メタノールを直接“発電部”に供給し、空気中の酸素と化学反応させて発電するシンプルな構造のため、小型化に適している。

シャープでは、発電部におけるスタックの構造に注目し、微細加工による薄型セルを用いた「3次元高集積スタック(積層)構造」を開発。

短冊状の薄型セルに一定の間隔を設けて平行に配置し、さらに短冊状のスペーサー(多孔質)をセルと交互に直交して積層した構造にすることで、単位体積あたりのセルの表面積を増大させ、かつ、均一な隙間領域を確保することで発電エネルギーの基となる空気をスムーズに対流させることが可能になった。

これにより、単位体積あたりの出力密度を世界最高の0.3W/cc(シャープ従来比で約7倍)まで向上させることに成功した。

この要素技術をさらに追求し進化させることにより、一層の電池体積の小型化が見込め、現在主流のリチウムイオン電池と体積は同等でありながら、より長時間使用が可能な燃料電池の実現が期待できるとしている。

<コメント>
バッテリーの改善策として燃料電池が有望とされてから長い時間がかかっているが、ようやく既存の充電池と同程度の体積を実現できる見込みができたという要素技術の発表。実現にはまだ流通方法や燃料の追加方法など問題は山積しており、早期の検討ステップが求められる。

関連リンク:シャープの発表リリース

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