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NEC液晶テクノロジー、TFT液晶の表示画面形状の制約を緩和する新技術を開発

NEC液晶テクノロジーは、TFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイモジュールの表示画面形状の制約を大幅に緩和して、より自由度の高い表示画面形状を実現する技術を開発し、凹角を含んだ液晶ディスプレイ試作機の製作に世界で初めて成功したと発表した。

試作機は、2つの円弧と2つの直線によって構成される「ハート型」形状の低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレイモジュール。画面表示部は幅4.0cm、高さ3.6cm、画素ピッチは174ミクロン(146ピクセル/インチ)。

新たに開発された技術は、ディスプレイの各画素に信号を送り届けるゲート線とデータ線の配線が最もシンプルなものとなるよう、画素および駆動回路の配置を表示画面の形状に応じて最適化するもの。表示画面が矩形(長方形)以外の形状となる場合でも、ゲート側回路とデータ側回路の重なりの最小化を可能にする。

さらに、NEC独自の高付加価値化技術であるVIT(Value Integrated TFT)技術と組み合わせ、駆動回路を画面表示部に沿ってガラス基板上に形成することにより、ガラス基板周辺部の配線数、および外部回路との接続線数が大幅に削減されるため、約2mmの狭額縁化を実現し、外形のコンパクト化が可能となるとしている。

<コメント>
筐体デザインの自由度が高く、製品の差別化にもなる携帯プレーヤーでは、通常のディスプレイ以上にディスプレイの形状に自由度を持たせたいニーズはあると見られる。ただ、独特なデザインのディスプレイに何をどのように表示するかといった部分にはより工夫が求められるだろう。

関連リンク:NEC液晶テクノロジーの発表リリース

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