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Wolfson、ポータブル機器向け省電力オーディオコーデックを発表

英Wolfson Microelectronicsは、次世代の超低消費電力(ULP)を実現したポータブル機器向けのオーディオコーデック「WM8903」を開発したと発表した。

WM8903は、低消費電力DACキャパシタ用の独自スイッチング・アーキテクチャ「SmartDAC」を採用、ヘッドフォンアンプの消費電力を4.4mWまで低減した。パフォーマンスと消費電力のバランスをプログラミングできる機能を搭載し、AC駆動時/電池駆動時など状況に応じた最適化をあらかじめ設定できる。

クラスG/Hの進化形とする「クラスWアンプテクノロジ」を採用。クラスWのヘッドフォンアンプは、実際の音楽信号レベルに合わせ、適応型デュアル・ドライバ用チャージポンプを使用することで、消費電力を最適化するとしている。

また、DCサーボ回路アーキテクチャでは、大型のDC遮断用ヘッドフォンキャパシタが不要となり、基板の小型化やサブシステムの部品コスト削減を実現、低域レスポンスの改善によりオーディオ品質も向上している。

ポップ音/クリック音抑制機能を強化する「SilentSwitch」技術に基づいたクランプ回路/シーケンサ回路も搭載。電源ON時、ミューティングのON/OFF時のヘッドフォンアンプからのノイズは、出力をアースすることにより低減する。

録音モード時には、ダイナミックレンジコントローラにより音質を最適化。クイックリリースタイプのインパルスノイズフィルタにより、録音音声の明瞭度を向上。突発的なノイズと録音ソースの信号レベル上昇の違いを正確に判別できる。

内蔵デジタルマイクロフォンインターフェイス経由で、同社の「True Mics」技術搭載デジタル出力マイクなどが使用可能。また、追加オーディオ出力により、スピーカー内蔵機器では同社製「WM9001」など高効率クラスDスピーカーアンプとの併用も可能。

ポータブルメディアプレーヤーや、携帯ゲーム機などをターゲットとしており、このコーデックを採用することで、1回の充電で最大40時間再生が可能なポータブル機器を実現できるとしている。

パッケージは5×5×0.55mm(縦×横×厚さ)/40ピンのQFNパッケージで、サンプル出荷は既に開始している。

<コメント>
携帯プレーヤー茂CPUなど中心となるプロセッサは話題になることはあっても、周辺回路内のチップははあまり語られることはない。それでも重要な音質を作り出しているのは、こうした周辺回路のチップであり、もっと注目されても良いが、音質ばかりを重視するわけでもない現在の携帯プレーヤーの方向性からは望み薄だろうか。

関連リンク:Wolfson Microelectronicsの発表リリース

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