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公取委、SMEなどの着うた参入妨害を認定

公正取引委員会は、被審人ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)、エイベックス・マーケティング、ビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージックに対し、平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法第54条第1項の規定に基づき、審判審決を行ったと発表した。

4社および東芝EMIは、5社が共同して設立したレーベルモバイルに対し、原盤に録音された演奏者の歌声等の一部を携帯電話の着信音として設定できるよう配信する業務(着うた提供業務)を委託する一方、他の着うた提供業者に対し、原盤に録音された演奏者の歌声等の一部を送信可能とする権利等(原盤権)の利用許諾を行わないようにしているというもの。

今回の審決では、5社が利用許諾を拒絶した各行為について、5社間における明示の意思の連絡を直接証するものは存しないとしながらも、①5社が共同して設立し、運営するレーベルモバイルに対し着うた提供業務を委託する一方で、他の着うた提供業者からの楽曲の利用許諾等の申入れに対し、5社が利用許諾をしたことはほとんど皆無であったこと、その申入れに対する5社の対応状況、②レーベルモバイルにおいて着うた提供事業を始めた際の背景や動機、及び③レーベルモバイルにおいてアフィリエート戦略を検討していた状況等の間接事実を総合して判断すれば、5社間において、相互に他の4社も利用許諾を拒絶することを認識して、これを認容した上で、他の着うた提供業者からの利用許諾の申入れに対して拒絶していたものと認められるとし、5社間において利用許諾を共同して拒絶することについて、意思の連絡があったと認められるとした。

さらに、現在に至るまで、5社がその共同取引拒絶行為を取りやめたことを対外的に明らかにするような行動を採ったものと認めることはできず、また、利用許諾が行われるようになった状況を認めるべき事情もないから、被審人らによる当該行為はなお継続していると認定した。

これらの認定により、許諾拒否を辞めるよう命じ、今後は各社が自主的に原盤権の利用許諾の可否を決めることを公表して周知することを求めた。

なお、東芝EMIのみ、勧告を応諾したため2005年4月26日、勧告と同趣旨の審決を受けている。

<コメント>
音楽配信関連のコメントでは、JASRACが取り上げられることが多いが、JASRACは著作権を管理しているだけであり、元の音源を利用した配信サービスを提供しようとする場合は原盤権をもつ者の許諾が必要となる。それを持っている事業者が、自らが関係する事業者以外に許諾を与えないことで、配信サービスの提供を妨害していたと認定されたもの。事業者に対する対価もあるため、すぐに他の事業者から多くの楽曲が出てくるとは思えないが、ゆくゆくは多様なサービス提供事業者の楽曲数の増加が期待される。

関連リンク:公正取引委員会の発表リリース(PDF)

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