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日本TI、低消費電力に優れたDSPなどのロードマップを発表

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、15品種の低消費電力に特化したプロセッサ新製品からなる、4つの製品群についてのロードマップを発表した。

『TMS320C674x DSP』は、既存の浮動小数点DSPと比べ消費電力を3分の1まで低減でき、24-32ビットの演算精度を持つ業界で最も消費電力の低い浮動小数点DSP。待機時に6 mW、動作時には420mWの消費電力を実現し、浮動小数点DSPによる高精度の演算や広いダイナミック・レンジが要求される医療機器、オーディオ機器、産業機器、および新たなアプリケーションに対し、開発者は初めてポータビリティをもたらすことが可能になる。2008年第4四半期に供給を開始する予定。

『TMS320C640x DSP』は、高性能『C64+ DSP』コアをベースとし、待機時に6 mW、動作時には415mWと既存の『TMS320C6000』プラットフォーム製品と比較し2分の1の消費電力を実現。ソフトウェア無線機、産業向け計測機器などを始めとする、負荷の重い処理を必要とするアプリケーションでもバッテリ駆動の可能性が広がる。『C674x』および『OMAP-L1x』製品とのピン互換性を備えており、機能拡張が容易となっている。供給開始は2009年第1四半期からの予定。

『OMAP-L1x』 アプリケーション・プロセッサは、ARM9ベースまたは、ARM9+DSPをベースにし、LinuxまたはDSP/BIOSのリアルタイム・オペレーティング・システムによるアプリケーションの開発に対しても柔軟な開発環境を提供する。消費電力は待機時に6 mW、動作時には435 mW。様々なペリフェラル機能も内蔵しており、ネットワークやタッチスクリーン機能の搭載も可能で、『C640x』および『C674x』製品と、ソフトウェア及びピン互換性を保っており、開発者はポータブル製品に豊富な機能を備えたグラフィック・ユーザー・インターフェイス(GUI)を搭載できるようになっている。供給開始は2009年第1四半期からの予定。

『TMS320C550x』は、高速解析を行うために最適化されたFFTコプロセッサと大容量メモリを搭載し、消費電力は待機時に6.8uW、動作時には46mWと、既存の『C5000』製品の2分の1まで低減することが可能。複数のパラメータを処理する医療機器、ノイズ・リダクション・ヘッドフォン、ポータブル・オーディオ機器/ミュージック・レコーダ等のアプリケーションに最適としている。供給開始は2009年第1四半期からの予定。

100個受注時の単価(参考価格)は、製品によって異なるが9ドル以下からの提供を予定しているとしている。

<コメント>
携帯機器向けプロセッサのトレンドは高い計算能力の追求ばかりでなく、以前にもまして低消費電力が図られるようになっている。これはインテルなどが汎用プロセッサでも低消費電力チップを開発し、携帯機器への搭載を視野に入れていることへの対抗と見ることができる。

関連リンク:日本テキサス・インスツルメンツの発表リリース

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