1.サービス内容を確定させる
 
音楽配信を始める場合、最初に決めなければいけないのはサービス内容です。サービスというとビジネスモデルと混同しやすいのです が、より具体的に配信によって収益を得るか、無料に徹するか、ダウンロードしたユーザーの情報は必要か必要でないか、と言ったことです。
これらは音楽配信を自らのビジネスの中でどのように位置づけるかという大変重要なことになります。また、この決定によって以下の 必要になるシステムの機能が変わってきます。音楽配信を始めて(一旦システムを構築して)しまってからサービス内容を変更すること は、場合によっては一からのやり直しに近い作業が発生することもあります。過大な出費を抑える意味でも慎重に検討することが重要です。
 
現在想定されている音楽配信サービスはレベルにより以下のように並べることができます。
 
●無料サービス(著作権保護なし)
音楽配信はあくまでパッケージであるCDなどの販促と捉え、ユーザーに無料で提供するサービスです。著作権保護をかけなけ れば最も簡単にサービスを始めることができます。極端に言えば素人でも始めることができますし、ネット上で無限にコピーが出 回る覚悟が必要です。
 
●無料サービス(著作権保護なし、会員制)
音楽配信はあくまでパッケージであるCDなどの販促と捉えるが、ユーザーの属性を把握することによりマーケティングに役立 てようというサービスです。ユーザーには最初に会員登録をしてもらいます。その際に年齢や性別 など個人情報を入力してもらう ことで、マーケティング情報を得ることが可能になります。楽曲のダウンロード時に会員No.などを入力してもらうことで、具体 的な楽曲に対しどのようなユーザーが嗜好しているかを把握することができます。ただ、やはりコピーは可能ですので会員以外の ユーザーにもコピーは出回ることは必至ですし、コピーが手に入るのであれば会員登録をしないユーザーも想定しなければいけま せん。システムとしては会員管理の機能が必要になります。
 
●無料サービス(著作権保護あり)
音楽配信はあくまでパッケージであるCDなどの販促と考えるが、無闇なコピーはされたくないというサービスです。システム には著作権保護の機能が必要になります。
 
●無料サービス(著作権保護あり、会員制)
音楽配信はあくまでパッケージであるCDなどの販促と考えるが、無闇なコピーはされたくないし、ユーザーの属性をマーケテ ィングに生かしたいというサービスです。システムとしては会員管理の機能と著作権保護の機能が必要になります。
 
●有料サービス(著作権保護あり、スポット販売)
音楽配信でも収益をあげようというサービスです。著作権保護の機能と共にユーザーから料金を徴収する機能が必要になりま す。また、料金を徴収する以上はユーザーに何をもって料金を請求するかの見極めも重要になります。
 
●有料サービス(著作権保護あり、会員制)
音楽配信でも収益をあげると共に、ユーザーの属性を把握することにより効果 的なマーケティングを行おうというサービスで す。ユーザーには会員登録をすることにより購入の度ごとに必要項目を入力する手間を省けるという利便性を与え、個人情報を把 握します。例えば誕生月には割引を行うと言ったキャンペーンを絡めてユーザーの年齢層を把握することも工夫できるでしょう。 有料サービスであるだけにより厳格な会員管理の機能と著作権保護、料金徴収の機能を必要とします。
 
●有料サービス(著作権保護あり、月額会員制)
月額基本料を設定することにより音楽配信での収益を安定させ、またユーザーに割安感を与えるサービスです。システムの機能 としては単純な会員制と変わりませんが、曲ごとに料金を徴収する必要がないためシステムの負荷は大きく減ります。
 
 
以上になります。有料サービスで著作権保護をかけないというサービスもあるでしょうが、コピーの問題を考慮すると現実的ではない ため割愛しました。また、無料のサービスも価格を\0とした有料サービスの一種とみなすことも可能です。有料サービスを前提に考えれ ば、無料サービスを行うことは対応が容易であるが、逆の場合は難しいと考えておくべきでしょう。
 
→2.必要になる機能
 
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