三洋電機は、業界で初めてML記録方式に対応したCD-R/RWドライブ用ならびに、COMBO(CD-R/RW & DVD)ドライブ用のチップセットを開発したと発表した。
ML(MultiLevel Recording)記録は、米Calimetrics社が開発した多値記録により、現行のCD-ROMの約3倍、2Gバイトの記録容量を可能にする記録再生技術。
従来のCD-ROMがピットの有無で1ビットを表現しているのに対し、MLは記録マークの大きさを8種類に変えて記録し、8レベルの異なる反射率として読み出す多値記録再生技術を採用。これにより1つの記録マークで3ビット分の情報を表わすことができ、さらに誤り訂正符号方式を工夫することで、CD-ROMの約3倍の容量を実現する。
現在のCD-R/RWドライブの光学系や機械系などの部品をそのまま使うことができるため、低コストで大容量記録を実現することができると注目を集めている。
今回、三洋電機が開発したチップセットの構成は、MLの記録/再生処理を行うLC898050、CD-R/RWドライブ用信号処理を行うLC898040とCOMBOドライブ用信号処理を行うLC898010。
LC898050の記録/再生速度(ディスク回転速度)はCD-ROMの12倍速相当、データレートはCD-ROMの36倍速相当(5.4MB/s)。データレートに比べて、ディスクの回転数を抑えることができるため、ディスク駆動系のコストを抑えることができる。
LC898040とLC898010には、三洋電機の従来のCD-R/RWドライブ用信号処理LSIと同様に、記録時のエラーを回避するBURN-Proof機能、最適な記録制御によって記録品質を高めるライトストラテジ機能や、ATAPIインタフェースなどを搭載。
LC898050とLC898040を組み合わせることにより、ML記録方式対応のCD-R/RWドライブが、また、LC898050とLC898010の使用により、ML記録方式対応のCOMBOドライブが実現できる。
いずれのチップも2002年4月からサンプル出荷開始、サンプル価格はLC898050が4,000円、他は3,000円。量産出荷予定はLC898040とLC898010が2002年第2四半期となっている。
なお、Calimetrics社はTDK、三菱化学、三洋電機、シナノケンシ、松下寿電子工業、ヤマハといったメーカーと提携。各社はCalimetrics社からライセンスを受け、TDKがML CD-Rディスク、三菱化学がML CD-RWディスク、三洋電機がLSIとドライブ、シナノケンシ、松下寿電子工業、ヤマハがML CD-R/RWドライブといった形で製品開発を進行中となっている。
<コメント>
相変わらず好調な売り上げを見せているMP3-CDプレーヤー。それがCD-R/RWドライブの需要を引っ張る形となっている。記録型DVDが複数の規格により伸び悩んでいる状況では、このML規格も一定の支持を期待できそう。
関連リンク:三洋電機の発表リリース
TDKによるML技術の解説ホームページ |