日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)は、垂直磁気記録技術を利用したHDDで230Gbit/平方インチの面記録密度を実証したと発表した。
垂直磁気記録技術は、HDDの円板面に磁気情報を垂直に配置することで、水平面内記録方式よりも同じ面積でより多くの情報を書き込むことを可能にした技術。
同技術は1977年当時、東北大学電気通信研究所の岩崎俊一教授(現東北工業大学学長)が基本原理を提唱したもので、28年経てようやく実用化された。
現行の水平面内記録方式では、磁気データをディスク面に対して垂直に配置するため、磁極が反発し合い高密度化が困難とされている。
例え記録媒体の膜厚を薄くし、磁極の反発を抑え高密度化が可能になったとしても、熱揺らぎの影響で記録磁化が消失してしまうといった問題があり、水平面内記録技術では150Gbit/平方インチ程度を超える面記録密度が限界とされている。
一方、垂直磁気記録方式では、磁極を垂直に配置することで、隣接する磁性粒子が吸引し合い高密度に配置することができる。また、記録媒体の膜厚を充分に持たせることが可能で、記録磁化を安定化させることができる。
さらに、記録ヘッドと記録方式も変更され、従来のリング型記録ヘッドで漏れ磁束による媒体記録方式から、単磁極型記録ヘッドと裏打ち層で磁気回路を構成した磁界による媒体記録方式へ変更された。
同社では2004年12月よりフィールド試験を実行しており、研究者、HDD関連業界、OEM顧客等が垂直磁気記録技術を導入した2.5インチHDDを搭載するノートPCを使用している。
今回実証した230Gbit/平方インチの面記録密度は、現状の水平磁気記録技術で到達している記録密度の約2倍に相当し、2007年には3.5インチで1TBの容量を持つ製品や20GBの1インチMicrodriveを実現可能となるとしている。
なお、同社は2005年中に同技術を採用した2.5インチで120GB程度の製品を市場に投入する予定。
<コメント>
HDDの記憶容量の向上は目を見張るばかりだが、物理的な限界も指摘されてきた。今回の発表はそうした限界を打ち破るものとして期待される。3.5インチで1TBよりも小型HDDプレーヤーが20GBの容量を持つ方がインパクトは大きい印象。
関連リンク:日立グローバルストレージテクノロジーズの発表リリース(PDF) |