05/06/17
NECと東芝、次世代MRAMの大容量化に適したセル技術を開発
 
 東芝と日本電気(NEC)は、次世代不揮発性磁気メモリ(以下、MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)の共同開発において、独自の多層構造を有するセル構造を提案し、従来より5倍以上の広い書き込みマージンを可能にするMRAMセルを開発したと発表した。

 MRAMは記録層の磁化方向によりデータを蓄積する不揮発性メモリ。

 両社は今回、新たに多層構造記録層を有するMTJ素子を開発し、本記録層の層間の磁気結合の強さを調節。低電流で、従来の5倍となる書込みマージンの広いスイッチング特性を実現した。

 さらに多層構造をさらに多層化することにより、熱安定性を保ちつつ電流の増大を抑制することが可能であることを実証し、将来にわたる微細化(スケーリング)の可能性を提示したとしている。

 NECと東芝では、NEDO技術開発機構の助成を受けてMRAM開発を進めており、2005年度には250nm設計ルールの磁気抵抗素子作成技術と130nm設計ルールのCMOS作成技術を用いて、256MbitMRAMの実現に必要な基盤技術を確立する予定としている。

<コメント>
フラッシュメモリに代わる技術として期待されているMRAMも大容量化に技術的な課題が残っているが、その解決に目途がついたという発表。とはいえ、大容量化と低価格化の著しいフラッシュメモリのスピードについて行けなければ普及には時間がかかることになるだろう。

関連リンク:NECの発表リリース
 
 
過去の記事↑




Copyright©2000-2001 EMD.GR.JP All rights reserved.