05/09/16
東芝、ポータブルオーディオ向けの小型燃料電池を開発
 
 東芝は、ポータブルオーディオプレーヤー向けの小型燃料電池を開発し、プレーヤーの試作機を用いた動作検証を開始したと発表した。

 開発されたのは、フラッシュメモリ内蔵プレーヤーやHDD内蔵プレーヤーへの組み込みを目的とした、出力100mWと300mWの燃料電池ユニット。

 100mW型は、外形寸法が75×23×10mm(縦×横×厚さ)と板ガム程度のサイズで、内蔵タンクに3.5mlの純メタノール燃料(濃度99.5%)を注入し、約35時間の駆動が可能。300mW型の外形寸法は75×60×10mm(同)で、10mlの燃料により駆動時間は約60時間。

 開発された燃料電池は、小型化に適したパッシブ型を採用。通常は30%以下に希釈するメタノール燃料を薄めずに使用できる。

 試作機となるプレーヤーは、100mW型がフラッシュメモリを採用し、外形寸法は110×35×20mm(縦×横×厚さ)、燃料充填時の重量は78.5g。300mW型はHDD内蔵で、125×65×27mm(同)、燃料充填時の重量は270gとなる。

 試作機には動作検証用の部品も含まれるため、実際の製品では大幅な小型化も可能としている。また、IEC(国際電気標準会議)で策定中の安全規格案に準拠した設計となっているともしている。

 東芝では、耐久性・信頼性試験などを行い、2007年以降の燃料電池の本格普及期に向け、生産技術を含めた開発を加速していくとしている。

<コメント>
携帯プレーヤーの性能の1つに再生時間の長さがある。省電力機能による再生時間延長も図られているが、バッテリーの方も改善が進んでいる。燃料電池はその中でも興味深い技術の1つだが、普及に当たっては燃料の流通問題(どこの店で売っているのか、売るに当たって安全は守られるのか)がハードルになるだろう。

関連リンク:東芝の発表リリース
 
 
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